<更新履歴>
2009.6.16 --- ちょっと編集。
2009.5.28 --- LaTeXの使い方へのリンクを張った。
2009.4.21 --- 少しだけ修正。
(LaTeXの使い方はこちら)
(Emacsのコマンド一覧表だけ見れたらいいやって 人はこちらへ)
UNIXシステムの高機能エディタであるEmacsの使い方を紹介する。
基本的にEmacsをほとんど使ったことのない人向けだが、 後半は少し詳しい内容も含むので ある程度使える人も気が向いたら目を通してみてほしい。
<捕捉>
このページの内容は神戸大学工学部 情報知能工学科 CS23研究室の 環境に準拠しています。 お使いの環境によっては一部のコマンド等が異なることがあります。
Emacsの起動
まず、Emacsを起動するにはターミナルを開いて
$ emacs
と入力。("$" はターミナルにもともと 表示されているので、実際に入力するのは"emacs"だけ)
これでEmacsが起動する。ちなみに、このとき開いたEmacsを終了するまではターミナルでコマンドの 実行ができなくなる。もしEmacsを開いたままターミナルも 使いたい場合は、
$ emacs &
と入力して起動すればよい。Emacsの起動時は下のようになっている。
今開いているのは*scratch*というバッファで、落書き用紙のような もの。バッファ(buffer)というの は作業中のファイルのことで、 とりあえずはファイルと同じようなものだと 思っておけばよい。
また、ウィンドウ下部の*scratch*と書かれている 部分はモード行(あるいはモードライン)と 言い、現在開いているバッファ名などの情報が書かれている。
さらに、ウィンドウの一番下の 行はエコー領域と言い、 いろいろなメッセージが表示される。
カーソルの移動
まずは上のスナップショットのように、カーソルを2行目の真ん中あたりのiの 位置にもってきてみよう。
ここで Ctrlキーを押しながらf を押すと カーソルが1つ右に移動する。
次に、 Ctrlキーを押しながらb を押すと。 カーソルが1つ左に移動。
同様に Ctrlキーを押しながらn を押すと1つ下に、
さらに Ctrlキーを押しながらp を押すと1つ上に移動する。
もちろん矢印キーを使って移動することもできるが、これらのコマンドを 使えばわざわざそこまで指を持っていかなくても移動できるので、 慣れれば作業効率は格段に上がる。
ちなみにfはforward、bはbackward、nはnext、pはpreviousの意味なので、 それぞれ意識しておくと覚えやすい。
他にも次のようなものがある。
- Ctrlキーを押しながらa でカーソルが行頭に移動。
- Ctrlキーを押しながらe でカーソルが行末に移動。
- Ctrlキーを押しながらv で1画面分下に移動 。PageDownキーと同じ。
- Altキーを押しながらv で1画面分上に移動 。PageUpキーと同じ。
- Homeキー で文書の先頭に移動。
- Endキー で文書の末尾に移動。
これ以外にもたくさんのコマンドがあり、 コマンド一覧表 によく使うものをまとめておく。
操作の中止
Emacsを使っていると、キーを打ち間違えて変な動作になったときや、 ファイルを開こうとしてやっぱりやめたいときなど、 操作を途中で中止したくなることがある。 そのときは Ctrlキーを押しながらg で中止できる。
最重要コマンドなので必ず覚えておこう。
日本語入力の切り替え
日本語入力のOn/Offは、Ctrlキーを押しながら¥ で 切り替えられる。
また、他にも
- Shift + Space
- 半角/全角キー
- Ctrlキーを押しながらo
で切り替えられることもあるが、Emacsの環境によってできるものと できないものがある。
バッファの保存
では、今度はバッファを保存してみよう。
Ctrlキーを押したまま x s と続けて入力してみると下のようになる。
カーソルが一番下の行に移動したのがわかる。ここをエコー領域と言ったが、 カーソルが移動して何か書き込める状態になっている ときはミニバッファが 開かれていると言う。
ここで ‾/ に続いてファイル名を書き込むことでバッファの保存ができる。 ‾はホームディレクトリの意味で、例えば ‾/sample.txt と入力 してEnterを押すと、ホームディレクトリの下にsample.txtという名前で 保存される。
もちろん他のディレクトリも指定できるので、 例えば ‾/study/sample.txt とすると、ホームディレクトリの中の studyというディレクトリの中に保存される。
というわけで、‾/sample.txtと入力してEnterを押すと、
となり、sample.txtが無事に保存された。 モードラインを見ると、*scratch*というバッファ がsample.txtというバッファ名に変更されたのがわかる。また、 バッファ名の左の**となっていた部分が--になった。 **は編集中で未保存、--は保存済み という意味。 ちなみに、ここでは出てきていないが %%はread-only(書き込み不可)のバッファ となる。
これで「書きかけ のバッファがファイ ルとして保存された」ことになる。 これ以降は、Ctrlを押したまま x s を押す度にsample.txtを 上書き保存する。
このコマンドも超重要なので必ず覚えておこう。
また、別名で保存するには、Ctrlを押したまま x w と 続けて入力した後、ミニバッファでファイル名を指定すればできる。
なお、カーソルがミニバッファに 移動しているのを中止する 場合、 Ctrlを押しながらg でできることも併せて覚えておこう。
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